蜘蛛の糸 芥川龍之介

 陀多(カンダタ)はこれを見ると、思わず手を拍(う)って喜びました。

この糸に縋(すが)りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。

 いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。

 そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。

 こう思いましたから陀多は、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。

 元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。

 

・・・さて、お話はこの後どうなるのでしょう?

陀多(カンダタ)の顔の右半分と左半分の表情が違います。試しに顔の真ん中に鏡を置いて右だけと左だけとに分けて鏡に映してしてみて下さい。「あっ!」と驚きますよ。
蜘蛛の糸 芥川龍之介
003蜘蛛の糸.mp3
MP3 オーディオファイル 7.0 MB

語り:花本弘子  音楽&効果音:ひぐま  イラスト:Mackey

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