朝日新聞記事 学校応援FMピンチ 不況で閉局決まる 大阪・貝塚

生放送に臨むDJの的場文明さん(右端)と進行役の山口均教諭(右から2人目)ら=18日、大阪府貝塚市、左古写す
生放送に臨むDJの的場文明さん(右端)と進行役の山口均教諭(右から2人目)ら=18日、大阪府貝塚市、左古写す

2010年8月28日 朝日新聞夕刊 asahi.com より転載

 

 小学校の元教頭がDJを務め、中学校の現役教諭が制作するラジオ番組が大阪府貝塚市のコミュニティーFMで流れている。「地域の学校応援番組」として1月20日に始まり、市内の小中学校などの取り組みを紹介してきた。だが、不況のあおりでFM局が10月末での閉局を決定。番組も存続の危機に立たされている。(左古将規)


 18日午後8時、南海貝塚駅前のショッピングセンター1階。入り口ホールの一角にあるガラス張りのスタジオで「ジョイント広場826」の生放送(1時間)が始まった。


 「今日は二中(貝塚市立第二中学校)特集。校長先生も生出演です!」。DJは「ぶんぶん」こと、的場文明(ふみあき)さん(61)。貝塚市立津田小で教頭を務め、昨春に定年退職した。地元で司会業を営む花本弘子さん(42)とコンビで番組を進める。そばで市立第二中の山口均教諭(50)が時計を見ながら進行を指示する。


 この日は同中2年の鶴和由季さん(14)と佐嶋公代校長らがゲスト出演し、同中の仕事体験学習などを紹介。夏休み中の8月6日の登校日に、地元のお年寄りが語った貝塚空襲の様子の録音も放送した。鶴和さんは「緊張したけど楽しかった」。


 昨年11月、地元でよさこい踊りに携わる山口教諭が、「まちの人がつくるラジオ」を目指すコミュニティーFM局・貝塚コミュニティ放送の番組に出演したことが、「ジョイント広場826」を始めるきっかけになった。「学校は地域の中心。学校の取り組みを地域の人に紹介しよう」と、局幹部と意気投合。中学時代に放送部員で、アナウンサーになるのが夢だったという的場さんを仲間に引き入れた。


 放送は毎週水曜の午後8~9時。的場さんらが市内の学校を訪れて取材し、録音した内容を、英語を教える山口教諭がリスニングテストの作成で磨いた技術を生かして編集し、本番に備える。


 スタッフも出演者も無報酬。山口教諭は授業や学年主任の仕事をこなしながら、睡眠時間を削って準備する。「学んだ成果がラジオで流れれば、子どもたちのやる気が高まる。学校の取り組みに地域の協力も得やすくなる。番組作りも本業の一環です」。放送は30回を超えた。


 だが、2006年に開局した貝塚コミュニティ放送は、不況の影響もあって十分なスポンサーを確保できず、10月末での閉局を決定。山口教諭らはインターネットでの番組継続を模索しているが、スタジオの確保などメドは立っていない。「石の上にも三年、と言う。3年続ければ地域に定着し、学校と地域の架け橋になれる。どんな形でもいいから続けたい」と山口教諭。


 貝塚コミュニティ放送は82・6メガヘルツ。貝塚市周辺で放送している。「ジョイント広場826」は放送時間にホームページ(http://www.fm826kai.co.jp/)でも聴ける。

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